― 研究者の言葉に引き寄せて考える ―
この記事でわかること
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DX文脈で使われる「価値」の正体
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研究者がこの言葉に違和感を持つ理由
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技術価値と事業価値の違い
- この記事でわかること
- はじめに
- 研究者にとっての「価値」
- DXで言う「価値」は、使われて初めて成立する
- 技術価値と事業価値は、別物
- 「価値」を測る軸が違う
- 今の自分なりの整理
- 今日のまとめ(Lv7)
- 次に考えること(Lv8予告)
はじめに
DXの話を聞いていると、
必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。
「価値を生み出す」
「新しい価値を提供する」
正直なところ、
この言葉が一番つかみどころがありませんでした。
研究者としては、
-
性能
-
精度
-
再現性
こうした言葉の方が、
はるかにしっくりきます。
「価値」と言われても、
何を指しているのか分からない。
その違和感を、少し整理してみました。
研究者にとっての「価値」
研究の世界で言う価値は、
比較的明確です。
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既存技術より優れている
-
新しい現象を説明できる
-
再現性がある
これらは、
論文やデータとして示せます。
価値があるかどうかは、
専門家の間で判断される。
この感覚でDXの話を聞くと、
どうしても噛み合いません。
DXで言う「価値」は、使われて初めて成立する
DX文脈での価値は、
研究とは少し性質が違います。
-
使われているか
-
続いているか
-
意思決定が変わったか
ここが重視されます。
どれだけ高度な仕組みでも、
使われなければ価値はゼロ。
研究者の感覚では、
「良いものなら使われるはず」
と思いがちです。
でも現実は、
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使いにくい
-
分かりにくい
-
忙しくて触れない
こうした理由で、
価値が発揮されないことが多い。
DXの価値は、
成果そのものではなく、使われ方にある
そう理解すると、少し腑に落ちました。
技術価値と事業価値は、別物
もう一つ大きかったのは、
この違いです。
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技術価値
-
事業価値
技術として優れていても、
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コストに見合わない
-
導入に時間がかかる
-
現場に合わない
こうした場合、
事業としての価値は低くなります。
研究所にいると、
どうしても技術価値を基準に考えます。
DXでは、
その先にある
「使われ続けるか」
が問われている。
この視点の違いが、
DXの議論を難しくしていると感じます。
「価値」を測る軸が違う
研究の価値は、
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数値
-
グラフ
-
論文
で測られます。
DXの価値は、
-
時間が短くなったか
-
判断が早くなったか
-
失敗が減ったか
こうした、
少し曖昧な指標で測られることが多い。
研究者としては、
この曖昧さに不安を感じます。
ただ、
曖昧だからこそ、
現場ごとに意味を持たせる必要がある。
DXの価値は、
あらかじめ決まっているものではない。
そう考えるようになりました。
今の自分なりの整理
今の自分は、
DXの価値をこう捉えています。
-
研究の判断を助けるか
-
無駄な迷いを減らせるか
-
本来考えるべきことに集中できるか
派手さはありません。
でも、
こうした積み重ねが、
組織としての力になる。
DXの価値は、
後から振り返って分かるもの
なのかもしれません。
今日のまとめ(Lv7)
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DXで言う価値は「使われているか」で決まる
-
技術価値と事業価値は別の軸
-
価値は現場ごとに定義される
次に考えること(Lv8予告)
次は、
DXを進める上で避けて通れないテーマです。
DXに「正解」はあるのか。
研究者視点で、この問いに向き合います。
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