研究者のDX学習帳

材料メーカー研究所の若手が未経験から本気で学ぶ等身大のDX成長記録

Lv14:研究所における「属人化」は、なぜ問題になるのか

― 経験と知見のあいだで ―

この記事でわかること

  • 研究所で属人化が生まれる理由

  • なぜ今、属人化が問題視されるのか

  • DXの文脈での考え方


はじめに

研究所で仕事をしていると、
よく耳にする言葉があります。

「それは、○○さんに聞かないと分からない。」

装置の癖。
解析のコツ。
過去の経緯。

誰か一人が知っている。
研究所では、よくある光景です。

これまで、
それが大きな問題だとは、
あまり思っていませんでした。


属人化は、研究所では自然に起こる

研究の仕事は、

  • 試行錯誤が多い

  • 一筋縄ではいかない

  • 文書化しにくい

こうした特徴があります。

そのため、
経験や勘が、
特定の人に蓄積されやすい。

属人化は、
研究所の怠慢ではなく、
構造的に起こるものだと思います。


なぜ今、問題になるのか

では、
なぜ最近になって
属人化が問題視されるのか。

理由は、
研究の進め方が変わってきたから
だと感じています。

  • テーマのスピードが速い

  • 部署をまたぐ連携が増えた

  • 人の入れ替わりが多い

一人に依存していると、

  • 止まる

  • 引き継げない

  • 判断できない

こうした場面が、
以前より目立つようになりました。


属人化と「ベテラン頼み」の違い

ここで混同しがちなのが、
属人化とベテランの存在です。

ベテランがいること自体は、
研究所にとって大きな財産です。

問題なのは、

  • なぜそう判断したのか

  • どこがポイントなのか

これが共有されないこと。

人が悪いわけではありません。
共有される仕組みがない。

DXで扱われるのは、
この部分です。


属人化があると、DXが進まない

属人化が強い状態では、

  • データはあっても使えない

  • 判断の理由が追えない

  • 仕組み化できない

DXは、
経験を否定するものではありません。

むしろ、
経験を
他の人も使える形にする
ことを目指しています。

この点が伝わらないと、
DXは現場で反発されます。


今の自分が思うこと

属人化を
ゼロにすることは、
現実的ではありません。

大事なのは、

  • どこまで属人化を許容するか

  • どこから仕組みに乗せるか

この線を、
現場と一緒に考えること。

DXは、
人を置き換える話ではなく、
人の知見を残す話。

そう捉えると、
属人化への見え方が
少し変わりました。


今日のまとめ(Lv14)

  • 属人化は研究所では自然に起こる

  • 問題は「共有されないこと」

  • DXは経験を仕組みに変える試み


次に考えること(Lv15予告)

次は、
研究所DXでよく聞く失敗談です。

なぜ研究所DXでは、ツール導入がうまくいかないのか。
現場で起きがちなパターンを整理します。

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