
― 揃えるべきもの、揃えなくていいもの ―
この記事でわかること
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研究所DXで言われる「標準化」の正体
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標準化がうまくいかない理由
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研究所向けの現実的な考え方
- この記事でわかること
- はじめに
- 標準化=全部揃える、ではない
- 標準化すべきもの1:最低限の前提情報
- 標準化すべきもの2:判断の記録
- 標準化しなくていいもの
- 標準化が嫌われる理由
- 今の自分が思うこと
- 今日のまとめ(Lv16)
- 次に考えること(Lv17予告)
はじめに
DXの話になると、
よく出てくる言葉があります。
「まずは標準化が必要です。」
確かに、
バラバラな状態では、
仕組みは作れない。
でも研究所では、
この言葉に
強い抵抗感が生まれます。
「研究を型にはめるのか。」
そんな声も聞こえてきます。
標準化=全部揃える、ではない
まず整理したいのは、
標準化の誤解です。
標準化は、
すべてを同じにすること
ではありません。
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研究テーマ
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発想
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試行錯誤の過程
これらを揃える必要はない。
DXで言う標準化は、
仕組みとして揃える部分を決めること
だと感じています。
標準化すべきもの1:最低限の前提情報
研究データを見るとき、
最低限、知りたい情報があります。
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実験条件
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使用装置
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サンプル情報
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測定日時
これが分からないと、
評価も再利用もできません。
内容は自由でも、
前提情報だけは揃える。
このレベルの標準化は、
研究の自由度を
ほとんど奪いません。
標準化すべきもの2:判断の記録
もう一つ重要なのが、
判断の記録です。
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なぜこの条件にしたのか
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なぜこの方法を選んだのか
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なぜ途中で方針を変えたのか
結果だけでなく、
判断の理由が残っているか。
ここが標準化されていないと、
後から見た人は
結果を再現できません。
標準化しなくていいもの
一方で、
標準化しなくていいものもあります。
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試行錯誤の順番
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ノートの書き方
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思考の流れ
ここまで揃えようとすると、
研究のスピードが落ちます。
標準化は、
研究を楽にするためのもの。
苦しくするものではありません。
標準化が嫌われる理由
研究所で標準化が
嫌われがちなのは、
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標準化の範囲が広すぎる
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目的が見えない
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手間が増える
この3つが
同時に起きるからです。
標準化の話は、
範囲と目的を
セットで語らないと
うまくいかない。
今の自分が思うこと
研究所DXにおける標準化は、
「研究を揃える」話ではなく、
「研究をつなぐ」話。
人が変わっても、
テーマが変わっても、
最低限つながる。
そのための標準化なら、
受け入れられる余地は
あるのではないか。
今は、そう感じています。
今日のまとめ(Lv16)
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標準化は全部を揃えることではない
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前提情報と判断理由は重要
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標準化は研究をつなぐためのもの
次に考えること(Lv17予告)
次は、
人の役割に踏み込みます。
研究者は、どこまでDXに関わるべきなのか。
研究者とDX推進側の境界を考えます。
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